私の周辺で地味に流行っているバッグがあります。
バーバリー?
プラダ?
ルイ・ヴィトン?
いえ、そういう海外ブランドではありません。
「信三郎帆布」のバッグです。
名前だけなら聞いたことある!
という人もいるのではないでしょうか?
シンプルな作りなのに、タグだけが妙に目立っているバッグなんですね。
何故こんなにウケが良いのか?
そもそも帆布って何?
を調べてみましたので、ご紹介します。
帆布とは?
「帆布」という字を見た時、皆さんは一発で読めましたか?
私は
「ほふ?」
「ほきん?」
と無理矢理読んでみたものの、初めて見た時はこの漢字が読めませんでした。
正しくは「はんぷ」と読むのですが、パソコンの入力で漢字変換しても「頒布」などが出てきて変換ができないこともあります。
帆布とは一言でいうと、帆船の帆を日本人が改良して作り出した素材なんです。
帆布の始まりは、18世紀まで遡ります。
江戸時代の実業家、工楽松右衛門(くらくまつえもん)が発明したといわれています。
彼は漁師の家に生まれ、幼い時から船に乗っていました。
当時は、帆船(はんせん)という帆で風を受けて進む船が主流だったのでした。
ただ、帆の耐久性が乏しく、すぐ使えなくなってしまうという課題がありました。
そこを改良することに目をつけた松右衛門は、太い木綿糸で丈夫な平織りの布を作ったのです。
これが全国的に広まり、今の帆布の原点になったと言われています。
今ではよりあわせの回数と折り方の密度を変えることで、色んな薄さや厚さの帆布が市場に出回ることになりました。
帆布を使ったグッズ
帆布は、国内の7割が岡山県倉敷市で作られています。
倉敷市といえば、ジーンズでも有名ですよね。
作られた帆布は、岡山と、卸先である京都で加工、販売されています。
その主な販売店、商品の特徴等を見ていきましょう。
①倉敷帆布(くらしきはんぷ)
倉敷帆布。
明治21年(1888年)に創業した老舗のブランドです。
トートバッグ、ミトンやエプロン等のキッチン用品、収納用の雑貨、文具等を作成しています。
依頼を受けて、オーダーメイドのトートバッグを作ることもあります。
こちらの会社のHPを拝見しましたが、
「世界に誇る最高品質の一級帆布です」
と書かれており、自社の製品にゆるぎない自信を持っているんだなと感心しました。
老舗でありながら、デザインや発想は決して古くなく、オンラインストアの商品を見ているだけでも楽しいです。
伝統の中に、上手く新しいものを取り入れているなあという印象ですね。
②一澤信三郎帆布(いちざわしんざぶろうはんぷ)
一澤信三郎帆布。
京都にある手作りかばんのお店です。
ブランドが3つあります。
に分かれています。
デザインはレトロを感じさせる和の風合いがあり、素敵ですね。
また、ブランドのタグは温かさを感じる自筆のタグです。
帆布とキャンバス地の違い
引用:https://item.rakuten.co.jp/cottonplaza/nt00/#PopUp1534560579158346
帆布が丈夫な布という話をしましたが、同じような生地に「キャンバス地」と言うものがあります。
確かに、どちらも平織りで厚手の生地ですね。
なので、生地をざっくり種類分けするのであれば、帆布もキャンバスも同じものといえます。
分りやすいので、通販サイトでは帆布=キャンバスとしているサイトが多いようです。
しかし、詳しく調べてみると2つは異なるものであるという意見もあります。
私もその意見です。
ちなみに、キャンバス地についてはこちらで詳しく解説しています。
実際キャンバス地は、油絵の具やアクリル絵の具で絵を描かれることがあります。
それに対し、帆布に絵が描かれることはありません。
また、発祥の起源も異なるものです。
なので個人的には別物じゃないかな、と思います。
まとめ
帆布は、日本が生み出した世界に誇る素材です。
その優れた素材から作られるグッズは上質な雰囲気を漂わせており、思わず購入したくなるものばかりです。
耳慣れない素材の名前ですが、生地に込められた職人や開発者の思いを考えると、興味を抱かずにはいられません。
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